コウモリが人工物等に衝突して死傷することをバットストライク(Bat Strike)といいます。近年、再生可能エネルギーの一つである風力発電施設の設置が増加するに伴い、風車の回転翼にコウモリや鳥が衝突する事故が増え、世界中で問題になっています。
環境アセスメントなどでも鳥類(特に渡り鳥や猛禽類)及びコウモリの衝突予測や事後調査が、事業者に義務付けられることも多くなりました。
バットストライクの防止策・緩和策の検討にあたっては、海外の先行事例を学びつつ、被害の実態の把握と、コウモリ類の繁殖・渡り・採餌等の行動や習性等に関する調査研究の充実と情報の共有が望まれます。
当翻訳は、イギリスのScottish Natural Heritage他の共著によって 2019 年1月に出版された「BATS AND ONSHORE WIND TURBINES:SURVEY, ASSESSMENT AND MITIGATION Version:January 2019」を、版元の許可を得て「コウモリの会風力発電ワーキンググループ」が仮訳したものです。
このガイドラインはEUROBATSガイドラインからさらに内容が具体的になり、音声調査や現地調査による影響予測の評価の仕方についても実例を交えて詳細に紹介されています。
コウモリの会では、このガイドラインの和訳公開がEUROBATSガイドラインとともに、日本の風力発電アセスにおいても非常に有益であると考えています。